かなしいことなんかじゃない 

妄想と力、妄想は力。正しい恋愛のありかたを、妄想を用いてアカデミックに考察するブログ

金がないから洋服屋にいく

 洋服屋の店員が苦手である。

 ちょっと気になった洋服を手に取ると、後ろから忍び寄ってきてあ~だこ~だ蘊蓄を披露して、頼んでもないのに(スタイリスト気取りで)合わせるアイテム(!)を運んでくる。「これ最後の一点なんです」「ぼくも欲しいと思っていたんです」とお決まりのセリフ述べたあと、半ば強制的に試着室に誘導し、カーテン明けてでてくると、見え透いたおべっかの攻撃。 

 優柔不断な自分は、そんなふうに押し切られると断れないし、たいてい、買って家で着てみると似合わない。でも、返品する勇気がない。ほんと、洋服屋の店員が忌々しい。 

 しかし、それが女性店員なら大歓迎である。

 かわいくてオシャレでよい香りのする女の子が、アレやコレや似合いそうな洋服をもってきてくれれば、なんだか恋人と買い物デートしてるみたいなルンルン気分になるし、試着のさい「お似合いですよぉ~」「カッコいいですぅ~」と褒めてもらえれば、普段、女性にチヤホヤされることなどないから、とにかくいい気持ちが舞い上がる。そして、パンツ試着の際、「こうやって裾をロールアップしてぇ~」と、かがんだ瞬間に、緑色のブラージャーと、胸の谷間さんがチラリとみえたら、もう最高である。仮に似合わない洋服をつかまされても、あの緑ブラで案外着やせするかわいい子が一生懸命、(自分のために)選んでくれた洋服なのだから、と納得してしまう。

 「え~、お兄さんカノジョいないんですかぁ~、モテそうなのにぃ~意外ぃ~。わたし、恋人に立候補しちゃおっかな。」

 と、いつも風俗でいわれる。そして風俗嬢は、恋人に選んでもらうため献身的に、ネットリいちゃいちゃ懸命にHなことをしてくれる。まあ、その恋人とも別途指名料2000円払わないと会えないのだけど、うん、そんなことはわかっているのだけど心も体も気持ちがいい。

 洋服屋で女性店員から受ける接客の気持ちよさは、身体接触がないだけで、風俗嬢とおなじもののような気がする。(行ったことがないからよくわからないけど)キャバクラみたいなものだろうか? 

 だからお金がないけれど、どうしてもかわいい女の子とイチャイチャ恋人気分を味わって、いい気持になりたいときは、洋服屋で女性店員さんに接客してもらうのもいい。こちらは指名料もかからない。そして、チラリとみえた緑色のブラジャーと胸の谷間さんを記憶に焼きつけて、家に帰っていろいろ励む。ただ、最終的に購入を断るのが、優柔不断な自分には難しいが、わたしがオシャレになるために、あれだけ頑張ってくれた優しい女性店員さんだもの、何も買わなくても、笑顔で店から送り出してくれる……はずである。

 そんな洋服でなく、洋服屋の女性店員さん好きのわたしの夢は、KBFの南船場店に遠征して、あのモデルやっているかわいい女の子(はれこちゃん)に接客してもらうことだが、なんと、そこはメンズは作ってないのだった。